No.707 車の性能向上と危険予知能力の低下 | NPO法人NMA

No.707 車の性能向上と危険予知能力の低下

奈良@NMAです。
車の操作って何でしょう?

ハンドルを回すこと?
アクセルペダルやブレーキペダルを踏むこと?

ハンドルも、アクセルも、ブレーキもそれぞれ重要な装置ですが
それぞれ独立した機能ですから別々に操作する必要があります。
たとえばハンドルを回すと勝手にブレーキがかかるようなことはありません。

そもそも車はかなり古くからある機械のひとつですので、
人が操作するレバーなどは倒した位置に一つの機能が与えられています。
たとえばマニュアルギアのシフトレバーもレバーを決められた位置にする事でギアを決めます。
左上のローギアに入れたけど、さっきは同じ位置がセカンドギアだった、次に同じ位置に持って来たら今度はバックギアだった。
なんてことには決してならないですよね。

電気系統の場合はどうでしょう。
たとえばハザードランプなどは、押せばON、もう一度押せばOFFというように単純な機能が一つ与えられているだけですから分かりやすいと思います。

このように車と人のインターフェイスは、ハンドルやレバーやペダルやボタンだったりします。
車の側から人へ伝える情報も、これらハンドルやレバーやペダルからだったりします。
また接している面積が広いシートも重要なインターフェイスと言えるかもしれませんね。

最近では、ブレーキ、ハンドル、アクセルなどを車自身がコントロールする機能を備えている車も増えました。
車が危険を感じると勝手にブレーキがかかったりするのです。
今までドライバーが危険を感じて危険回避の行動をしていましたが、車が危険回避をしてくれるようになってきたのです。

そうなるとドライバーの危険に対する意識が弱まってしまわないだろうかと心配してしまいます。
「装置を過信しないでください」と説明書に書いてあるとおりですが、あくまでも車を運転しているのはドライバーです。
ドライバーさえも車に乗せられているようでは危険予知は愚か危険回避も難しくなってしまうでしょう。

車を運転するのは人です。
それを忘れないできっちり車をコントロールして運転して行くように心がけましょう。

~No More Accident~ NMA