No.683 飲酒運転厳罰化試案 | NPO法人NMA

No.683 飲酒運転厳罰化試案

平沼@NMAです。


年末に警察庁より、飲酒運転を厳罰化する道路交通法の改正試案が公表されました。

改正案では、酒酔い運転は懲役5年以下か100万円以下の罰金、酒気帯び運転は3年

以下の懲役か50万円以下の罰金に引き上げ。そしてこの刑罰は、ドライバーだけでなく、

酒や車を提供したり同乗した者など飲酒運転という違反行為にかかわった者すべてに

同様に科せられるとあります。

法改正で飲酒運転を「しない」意識だけでなく、「させない」意識を促す方針のようです。


また、ひき逃げの量刑も懲役10年以下か100万円以下の罰金と2倍になり、運転免許の

欠格期間延長も盛り込まれました。

5年前に危険運転致死傷罪が新設された後、飲酒死亡事故は減少しましたが、同時に

飲酒の発覚を恐れて逃走する悪質なケースが増加したことを受けての厳罰化と言える

でしょう。

ただ、厳罰化されても尚、飲酒運転が頻発する現状では悪質な違反とのいたちごっこ

にもなりかねません。


関西アルコール関連問題学会の調査によるとアルコール依存症患者で免許を持つ人の

うち、75%が5年前の厳罰化以前に飲酒運転したことがあり、その半数以上が厳罰化後も

「している」という驚きの回答をしています。
一般の飲酒運転経験者のうち、82%が厳罰化後「やめた」と答え、厳罰化の効果があった

一方で、こと依存症患者に関しては、厳罰化は飲酒運転をやめる十分な動機とはなって

いないのが実態です。
本人に自覚がない依存症の人や依存症予備軍と呼ばれる人もいます。

飲酒運転撲滅には、厳罰化だけでなく、医学的見地などからの対応も必要ででしょう。


飲酒運転による交通事故は減少したとは言え、昨年も10月末までに約1万件も発生して

います。飲酒による交通事故ほど不条理な悲劇はありません。
厳罰化だけでなく、社会全体としてこの不条理な悲劇を撲滅する活動に我々、NMAも

協力できることがないか、考えたいと思います。


NPO法人NMA ~No More Accident ~